catch-img

進化の続くICT:「適正コスト」をどう考える

こんにちは、華です。


電子カルテにオーダリングシステムをはじめとした、ICTは医療の現場にも欠かせないインフラになりました。

しかし、ICT を運用・維持していくにはコストがかかります。サーバーハードウェアが陳腐化すれば、入れ替える必要も生じます。各種システムも、どんどん新しく、便利になっていきます。「保守切れ」による更新の必要も生じてしまいます。


けれど、電子カルテなどのICTが多少古くても、医療行為に直接影響するものではありません。病院の予算の使い道としては、医療機器の機能強化・改善に合わせた調達が第一であって、ICTに関してはなるべく投資を抑えたいというのは、すべての病院に共通する意見だと思います。


そもそも医療機関は、営利を目的とはしていないために、経常利益が大きくないという前提があります。病院によっては「ICTにかけられるコストは、医業収入の1%以内」と決められている病院もありました。





まずは「仮想化」することで、システムのライフサイクルを最適化




医療ICTのコストを最適化するには、いろいろな方法と考え方があります。今日はその中の1つとして、ICTの土台となるインフラ、つまり「サーバー」と「ストレージ」と「ストレージネットワーク」のコストを下げる方法についてご紹介したいと思います。


第一に考えるべきことは、「ハードウェアの台数を減らす」ということです。


病院内にある、さまざまなシステムに、それぞれサーバーやストレージを用意していたら、セキュリティの更新やその運用保守の手間だけでも大変になります。

しかも、最近のサーバーはハイスペックですから、余程のものでもない限り、たった1つのシステムでCPUやメモリをフルに使用することもありません。1台1台のリソースが余っているのに、システムの数だけサーバーハードウェアが増えていくのはムダでしかありません。


それに、病院によっては空調が完璧に整った立派なサーバールームで運用されているところもありますが、そこまで設備に恵まれた病院ばかりではないでしょう。空調が足りない場所で、サーバーやストレージを動かしていると、熱などによる故障の確率も高まります。


こうした非効率を避けるために、現在浸透している方法が、システムの「仮想化」です。


「仮想化」してしまえば、ハードウェアに依存しなくなりますので、1台のサーバーハードウェア上で、複数のシステムを動かすことができるようになります。

もし、ハードウェアが故障した時も、新しいハードウェアに簡単に引っ越すことができます。


ハードウェアが陳腐化しても、「ソフトウェアは現役で使える」という時だって、システムを引っ越すだけで乗り切れます。

逆に、「ソフトウェアのサポートが切れる」という時に、ハードウェアがまだまだ現役で使えるなら継続して活用すればいいことになります。


こうして、システムを更新するライフサイクルの最適化に貢献することができます。





クラウドは「良いところだけ」を使うのが吉?




そして、ここからが大事なところなのですが……仮想化したシステムをどこに置くか、ということがまた、悩ましいんです。ひと昔前なら、病院内にサーバーを調達する以外の選択肢はありませんでしたが、今は「パブリック クラウド」という選択肢があります。


皆様ご存知の3省3ガイドライン…


・厚生労働省
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
(第5版)

・経済産業省
医療情報を受託管理する情報処理事業者における安全管理ガイドライン
(第2版)

・総務省
クラウドサービス事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン
(第1版)


「要配慮個人情報」である医療情報を扱うべく定められた、この3つの厳しいガイドライン(多分、また数は変わるのでしょうけれど…)をきっちりと遵守しているパブリック クラウド サービスが、今は揃っています。


クラウド上に医療ICTシステムを置く最大のメリットは、「災害時医療継続(BCP)」に尽きるでしょう。地震や津波などの災害発生時にも、クラウドのサーバーが完全に停止してデータが失われるようなリスクは、非常に低くなっています。


病院が被災して、PCなどの端末を失っても、システムとデータがクラウド上にあるなら安心です。

もう1つ言えることは、「サーバーメンテナンスの手間が、大幅に減る」ということです。セキュリティのアップデートなどは、サービスプロバイダー側で面倒をみてくれますから、サーバーを手元に置くよりも、かなり省力化できます。


こんな、いいこと尽くめのクラウドですが……

ランニングコストを考えたら、「決してお安くはない!」というところが、玉に瑕だったりします。

それに、医療情報を全部クラウド上に預けてしまって、それでいいのか?という疑問もあります。少なくとも、PACSで扱うような容量の大きな画像データをネットワーク越しに閲覧するなんて、ストレスを感じることでしょう。


医療機関におけるクラウド活用は、あくまでも「適材適所」。良い所取りの、ハイブリッド活用が正解だと思っています。


では、今まで通り、病院側は普通のサーバーとストレージを置いて、面倒な手間を払って運用保守を行うしかないのか?……

というと、実はそうではないんです。





運用を、徹底的にシンプルにしていくことが、コスト最適化の鍵




ここで登場するのが、前回、ちょっとだけご紹介したHCI (Hyper Converged Infrastructure) です。


従来通りのハードウェア構成は、3Tier(スリーティア)と呼ばれる3層アーキテクチャになっており、ストレージやスイッチなど、さまざまな専用ハードウェアやソフトウェアを組み合わせて構築されます。


要するに、「複雑」なんです。

せっかく仮想化したシステムを、3Tierのサーバー上に共存させても、1つ1つのシステムをメンテナンスする手間は、あまり減りません。万一のトラブルが発生した際にも、問題の切り分けに迷うことがあります。


一方のHCIは、とってもシンプル。

「サーバー」と「ストレージ」と「ストレージネットワーク」が、一体になっています。



イメージ的には、3Tierは、お花見にみんなで食べるお料理を、自宅でお皿やお椀に盛り付けてしまったために、数人で苦労して、会場まで運ばなければいけない感じ。てんやわんやの大騒ぎです。


HCIの方は、それとまったく同じ量のお料理を、たった一人で運べるように、とっても機能的で画期的なお重に詰めてある……というスマートなイメージです。

しかも、電子カルテやオーダリングシステムなど、システムごとにお重の段がキレイに分かれているので、見た目もキレイで、メンテナンスも容易って感じなんです。


まぁ少し雑なイメージになってしまいましたが、伝わりましたか?

本当に無駄なく、シンプルなんです。


お重の段がすべて同じ作りになっているように、ハードウェアも運用も統一されます。足りなくなったら段を追加すればいいように、必要に応じたリソースの調達が可能なんです。

HCIを活用した方が、システムを仮想化で集約したメリットを最大化しやすいのです。


さらに言うと、HCIの中でも、私たちが今一番おススメしているのが「HPE SimpliVity」です。

HCIは通常ですと、3台構成からの導入となっていまして、小規模なお客様にとっては「ちょっとオーバー」で「割と高価」な存在でした。しかし、HPE SimpliVity は2台から構成できます。ちょうどいいサイズで導入いただけるのも、良い所です。




<HCIの価格(参考)

HCIの管理/バックアップサーバーが別途1台必要になります。
記載の価格は標準的な構成で、参考価格となります。
お客様の環境、データ容量等によって異なります。


システムの仮想化集約に適した、新しい選択肢。

HPE SimpliVityが、医療ICTにかかるコストを最適化するための、有効な選択肢の1つであることは間違いないと、自信を持っています。


もちろん、ほかにも良いところが沢山あります。次回以降もぜひ、ご高覧ください。



記載の企業名、製品名は各社の商標または登録商標です。ブログ記事は掲載時点(2021年2月)における情報をもとに執筆しており、著者の意見や経験に基づく内容を含んでいます。掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。





関連ページ
​​​​​​​

HPE SimpliVity
高度なセキュリティ、圧縮+重複排除、バックアップ昨日を標準装備した次世代のハイパーコンバージドインフラストラクチャ。
ブログ 「華と学ぶ やさしい医療ICT」
医療分野におけるICTをテーマに全10回で解説しています。医療ICTについてイチから学びたい方にオススメです。
ブログ 「徹底解説!令和2年度 診療報酬改定」
2年に1度の診療報酬改定。令和2年度の診療報酬を解説しています。


 

facebook
twitter
ページトップへ戻る