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【連載】華と学ぶやさしい医療ICT | 第3回:プラットフォームという考え方

こんにちは、華です!


突然ですがみなさん、「プラットフォーム(platform)」って聞いたことありますか。そんなの誰でも知っているよと言われるかもしれません。もちろん、駅のプラットフォームじゃありませんよ。





プラットフォームとは?




プラットフォームとは、「商品やサービスを提供する企業と利用者が結びつく場所」のことです。それを提供する会社をプラットフォーマーなんて呼んだりするそうです。例えば、Amazonもプラットフォーマーのひとつですが、商品を売りたい会社と、利用者を結びつける場を提供していますね。医療システムの世界でも、このような考え方が広まりつつあるというのです。今回は、医療システムのプラットフォームの考え方について解説します。



医療システムはレセコンから始まった


そもそも、医療システムの始まりは、1970年代に誕生したレセプトコンピュータ(以下、レセコン)にさかのぼります。当時は、パソコンもなかったので、専用機として開発され、とても高価であったそうです。それから、1980年代に入り、パソコンが広く普及して、レセコンもパソコンで動くようになったのです。そのころに、レントゲンなどの画像管理システムや各部門にオーダー(伝票)を出すオーダーエントリーシステムが生まれました。そして、1990年代に入り、電子カルテが誕生したのです。



電子カルテとは何か?


ところで、「電子カルテを説明して」と質問されると、皆さんどうでしょう。そんなの簡単だよ。「紙のカルテを電子化したもの」と答えると思いますが、ところで、そんな簡単な回答で良いのでしょうか。 紙のカルテを見てみると、1号用紙には、個人情報、保険情報、病歴などが書かれていて、2号用紙には診療記録や診療コスト、検査の結果、紹介状など様々な紙が貼られています。カルテは患者さんに関わる様々な記録がまとめられていて、これらすべてをまとめて、電子カルテと呼ぶのであれば、電子カルテ、レセコン、画像・検査管理システム、文書作成システムなど、様々なシステムまで含めて、電子カルテと呼ぶことがあるかもしれません。 日本よりも電子化が進んでいるアメリカでは、電子カルテではなく、EMR(Electrical Medical Record)と呼ばれています。この呼び方であれば様々なシステムの総称として考えることができそうですね。



国内の電子カルテメーカーは40社を超える


今日、わが国では様々な電子カルテメーカーが存在します。その数は40社を超えると言われています。これらの電子カルテメーカーは、もともとレセコンメーカーから発展したものや、2000年ごろに独立の電子カルテメーカーとして新たに生まれたメーカー、そして日本医師会が開発した「日医標準レセプトソフト(ORCA)」に連動した電子カルテメーカーと、大きく3つに区分されます。これらのほとんどが、電子カルテとレセコンをセットで使うことを想定しています。



部門システムと電子カルテの連携


これらの電子カルテメーカーは、電子カルテにつながる様々な部門システムを自前で持っている場合と、電子カルテとレセコン以外はもっておらず、別メーカーの部門システムと連携させる場合があります。様々なメーカーのシステムを取り入れる場合にはマルチベンダーと呼ばれることもあります。 この「部門システム」は、病院のような規模の大きな医療機関独自の考え方で、診療所のような規模の小さな医療機関では、「電子カルテ周辺システム」と呼んでいます。病院がたいてい診療部、看護部、放射線部、検査部、調剤部、医事部など、様々な部門に分かれているのに対して、診療所はあまり分かれていないために、そのような呼び名になったのでしょう。 これらの部門システムと電子カルテをつなげるためには、「連携」が必要です。この「連携」を行うことで、個々のシステム間で情報の受け渡しがスムーズになるのです。





医療の世界のプラットフォームとは?




医療機関にとっては、電子カルテを購入して、レセコンを購入して、各部門システムを購入して、とそれぞれ考えていくと大変です。できればまとめてプロデュースして欲しいと考えるようになるのは当然でしょう。そのような要望から、電子カルテメーカーを決めると、自ずとその他のシステムが決まっていくという流れができていったのです。ここで、「プラットフォーム」という考え方が登場します。 電子カルテメーカーがプラットフォーマーとして、利用者である医療機関にシステムというサービスを利用する場を提供するという考え方です。この仕組みは、今後クラウドコンピューティングが普及することで、加速していくことが予想されます。Googleが様々なサービスを提供するように、医療の世界でもプラットフォーマーが様々なサービスを提供していくことになるでしょう。




第3回は「プラットフォームという考え方」についてご説明しました。いかがでしたでしょうか。

次回は、「画像・検査の管理」についてお伝えします。


★今後の予定★
(第1回)医療ICTの歴史
(第2回)医療情報の標準化
(第3回)プラットフォームという考え方
(第4回)画像・検査の管理
(第5回)データを経営に活かす
(第6回)クラウド社会とリスク対策
(第7回)効率的なシステム構築
(第8回)「ソフト」と「ハード」を分けて考える
(第9回)プライベートクラウド
(最終回)AI・RPAの医療における可能性


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