◎ATSエンジニアが解説◎ HPE SimpliVity「ホントのところ、どこがいいの?」第4回
HPE SimpliVityならではの容易な拡張
第4回は、HPE SimpliVityならではの柔軟かつ容易な拡張について解説します。HCI製品はノード(筐体)単位で増設できるため、サーバーとストレージを組み合わせる3Tier構成のシステムよりも拡張しやすいと言われています。ですが、HCI製品ならではの注意点があることをご存知でしょうか。
「HCIはサイジング不要」は本当か!?
HCIはシステム稼働後でも拡張が容易なので、「いま必要な分だけ導入して、必要になった時点で増設すればいい」という謳い文句を聞いたことはありませんか。確かに、設計や機器構成に慎重を期さなければならない3Tierのシステムと比べれば、HCI導入時のサイジングは「あまり悩まなくていい」というのは事実でしょう。ですが、システム拡張についてはいくつか注意が必要です。
ひとつ目は、「HCIはソフトウェア更新スケジュールが早い」という点です。導入から1年以上経過した時点でノードを増設する場合は、HCI基盤ソフトウェアや仮想化ハイパーバイザーのアップデートは必須になるでしょう。 でもご安心ください。
HPE SimpliVityでは、事前検証済みのソフトウェア(HPE OmniStack、VMware vSphere等)を1パッケージにした「HPE SimpliVity Upgrade Manager」が日本ヒューレット・パッカードから提供されます。システム管理者は、vCenterから仮想化基盤へこれを一括適用すれば、安全かつ手間なく主要ソフトウェアを更新できます。
提供元:日本ヒューレット・パッカード株式会社
いざHCIノードを増設する場合でも、HPE SimpliVityの手順は実に簡単です。管理ツール(Deployment Manager)を操作してノードをクラスターに追加すれば、バックグラウンドでの自動再構成が完了するのを待つだけです。RAID(ディスク冗長化)およびRAIN(ノード冗長化)の再構成も自動的に行われ、vCenterからストレージプールとして利用できるようになります。ソフトウェアの整合性を確保するためには、先述した「HPE SimpliVity Upgrade Manager」を適用すればOKです。これらの作業はオンライン(システム無停止)で行えますので、計画停止も不要あるいは最小限で済みます。
高信頼の「HPE ProLiantサーバー」が安心を支える!
ひと昔前までは、SASで速いRAIDを作って、SATAで遅いRAIDを作って、無駄がないよう各ディスクをどこのRAIDに割り当てるかを考えて・・・というような仕事がインフラエンジニアの腕の見せ所でした。インフラエンジニアとして20年近いキャリアがありますが、ソフトウェアデファインドによるプラットフォームの進化は本当に目覚しいと感じています。SANを不要にし、インフラ設計を劇的にシンプル化したHCI製品の登場はその最たるものと言えるでしょう。
一方で、進化したソフトウェアのメリットを最大限享受するには、プラットフォームの信頼性が非常に重要になると考えています。その意味で、HPE ProLiant Gen10サーバーをベースとするHPE SimpliVityは、私にとって最も信用できるHCI製品です。
第4回、いかがでしたでしょうか。ご質問等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
次回は、HPE SimpliVityの「既存環境からの移行手順」について詳しく解説します。
★今後の予定★
(第1回)急速に実績を拡大するHPE SimpliVity
(第2回)秒速バックアップとBCP・災害対策
(第3回)容量を気にせず「フルクローン方式」でVDIを実現
(第4回)HPE SimpliVityならではの容易な拡張
(第5回)既存システムの移行もHPE SimpliVityなら簡単
(第6回)HPE SimpliVityは他のHCIと何が違う!?
(第7回)オンプレミス環境を月額・従量制で使う
(第8回)HPE SimpliVity最新の導入事例
記載の企業名、製品名は各社の商標または登録商標です。
ブログ記事は掲載時点(2019年6月)における情報をもとに執筆しており、著者の意見や経験に基づく内容を含んでいます。掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。
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