VMwareからの移行戦略を進める3つの代替ソリューションを概説

※本ブログは2024年11月19日(火)に開催したウェビナーの講演内容を元に制作しております。
 ウェビナー内容およびウェビナーで投影している資料については、2024年10月中旬時点の情報となります。


仮想化ソフトウェア市場のパイオニアとして長らく名を馳せていたVMware。しかし、2023年11月のブロードコムによる買収と再ブランド化の衝撃は大きく、ライセンス体系の変更など多くの企業に影響を与え、1年経った現在でも混乱が続いています。

このような状況の下、市場ではVMwareの新たな受け皿となるソリューションが数多く展開されており、VMwareユーザーにとっては自社に最適なソリューションは何であるかを判断しづらい状況にあります。

そこで本ブログでは、アルファテック・ソリューションズが2024年11月19日(火)に開催したウェビナー「VMware買収劇が自社にもたらす影響。次の最適解とは?~新たな選択肢となり得るNutanix、Azure Stack HCI、Azureクラウドの特徴とメリットを徹底解説~」の内容に基づき、各ソリューションの特徴と移行方法について概説します。


目次[非表示]

  1. 1.混乱を招いた「体制変更」と「サブスクへの移行」
  2. 2.特色豊かな3つの代替ソリューション
    1. 2.1.  Azure Stack HCI  
    2. 2.2.  Nutanix  
    3. 2.3.  Azure IaaS  
  3. 3.なりすましによる不正ログインを防ぐ「パスキー」でもTMPを活用
  4. 4.移行戦略は十分な比較検討と専門家のアドバイスがカギ


混乱を招いた「体制変更」と「サブスクへの移行」

ブロードコムによるVMware買収が2023年11月に完了して以降、多くの企業で混乱が続いています。この混乱は、新ライセンス体系への移行と販売ルールの変更が大きな原因です。
 
新たなライセンス体系では、これまでの168製品が4つのバンドルライセンスに統合され、使用しない機能も含めて購入しなくてはなりません。また、CPUベースの永続ライセンスからコアベースのサブスクリプションへと変更されました。
 
さらに、販売ルールでは顧客セグメント制が導入され、セグメントごとに購入可能なエディションが限定されました。これらの変更により、多くの企業でライセンスコストが増加しているのが現状です。
 
VMware自体は長年にわたって多くのユーザーを支え続けてきた優秀な製品であるため、多くの企業は「そのまま使い続けるのか、代替品に切り替えるのか」という岐路に立たされています。
 
具体的な代替案としては、HCI製品のサーバーストレージネットワークの機能を統合した仮想インフラ環境と、クラウドIaaSの利用が挙げられます。今回は代替品として何が考えられるかを模索していきます。



特色豊かな3つの代替ソリューション

VMwareの代替ソリューションとして今回アルファテック・ソリューションズがご紹介するのは、Azure Stack HCI、Nutanix、Azure IaaSの3製品です。それぞれの特徴を見ていきましょう。


  Azure Stack HCI  

Azure Stack HCIは、Windowsのストレージスペースターゲットを使ってストレージの抽象化を行うモデルです。クラスター機能による高い可用性を備えており、Windows Admin Centerによる統合管理を実現できるのが特長です。
 
Azureの利用とWindowsライセンスが必須ですが、Azureポータルでの一元管理を通じて、拡張セキュリティ更新プログラムやOSの年次アップデートを適用できます。国内の複数拠点にAzure Stack HCIがある場合でも統合管理を行えるため、どの拠点においてもセキュリティを担保しながら最新機能にアクセスできる環境を構築可能です。
 
さらにAzureが提供するクラウドサービスとも連携でき、オンプレミスの良さを活かしつつ、最新サービスを吸収して運用管理の質的向上を図れます。AzureVDと連携してのVDI環境の構成も可能で、価格は1コア当たり1,520円と良心的です。2ノードから構成できるので、中小規模の環境に適しています。


  Nutanix  

Nutanixは、主要なハイパーバイザー(AHV、ESXi、Hyper-V)に対応し、バックアップや移行ツールなどの機能が標準で搭載された統合ソリューションです。ESXiで使用していた機能がほぼ揃っているため、ハードウェアの選択肢を幅広くとれます。
 
さらに、NutanixにはGPUも搭載可能です。CADやディープラーニングへの活用はもちろん、Web会議や動画視聴などでのCPU負荷も軽減できます。他にも、HHN機能や仮想マシンの負荷分散機能といったVMwareの機能もほぼすべて利用できる点が特徴として挙げられるでしょう。
 
仮想スイッチやポートグループでネットワークを分けたり、Nutanix Flowを活用してマイクロセグメンテーションを実装したりと、さまざまな形でセキュリティの堅牢性を高められます。AWSやAzureServiceとの連携も可能です。
 
カスタマイズ性や運用保守性にも配慮された設計で、管理画面であるPrismはシンプルで使いやすく、クラウドとの連携機能も充実しています。バージョンアップもワンクリックで行えて、同じハードウェアメーカーであれば世代が異なっていても増設できる点も魅力です。
 
高い安定性と豊富な実績を持つNutanixは、運用管理の容易さと柔軟なスケーラビリティを有しています。価格はAzure Stack HCIより高額ですが、機能運用性に優れ、さらに初期費用を抑えるサービスもあります。包括的な保守サポートも提供されており、エンタープライズ環境での利用に適したプロダクトだといえるでしょう。


  Azure IaaS  

Microsoftが提供するクラウドサービスのAzure IaaSは、Microsoft製品との高い親和性を持っており、柔軟な管理が可能です。また従量課金制を採用しており、リソースが無駄になることもありません。
 
クラウドのAzureポータルからワンストップで構成を変更できるため、効率化と高可用性が確保しやすく、統合的な監視・管理機能が可能なのも、Azure IaaSの優れた点といえます。
 
オンプレミス環境からクラウドへの段階的な移行にも対応しており、ハイブリッドクラウド環境の構築も可能です。さらにAzureAutomationという機能を使うことで、定期運用やトラブル対応時のリソース拡張といった、基本的な操作の自動化も実現できます。
 
クラウド型のためオンプレミスにおけるファームウェアの対応も不要で、アップデートはOSやアプリケーション単位で行います。しかし運用設計やユーザーへの案内などが求められるため、5年以上の中長期スパンで比較検討を行う企業向けのプロダクトだといえるでしょう。



なりすましによる不正ログインを防ぐ「パスキー」でもTMPを活用

 TPM2.0に関連し、Windows 11ではWebサイトやアプリのログインに従来のパスワードを使わず、生体認証機能「Windows Hello」と紐づく「パスキー」を使ってログインできる機能も追加されました。パスワードは第三者の手に渡ってしまうと、なりすましによる不正ログインの被害に遭う可能性があります。これに対してパスキーを使うと、Windows Helloの生体認証やPIN(個人識別番号)でユーザーは利用でき、ログインの処理は表面的には見えずパスワードを覚える必要がありません。さらに、パスワードをネット環境で送信しないため、パスワードが流出する危険もなくなります。
 
 パスキーを使うときは、Webサイトやアプリで登録する際に、公開鍵と秘密鍵のペアをTPMが生成します。そのうち公開鍵をWebサイトやアプリに登録し、秘密鍵はTPMに保存します。Webサイトやアプリからのログイン要求があると、TPMが秘密鍵を使って署名をして返信し、その署名が正しければ認証が完了します。
 
 このようにWindows 11のパスキーによるサインインでは、TPM2.0を利用したPINによる認証、または顔認証が必要となります。また、Webサイトやアプリにパスキーでログインする際には、サイトとアプリもパスキーへの対応が必要になります。既にMicrosoft Edge、Google Chrome、Firefoxなどの主要ブラウザーや、Microsoftアカウント、Googleアカウント、Apple IDなどの主要IDサービスはパスキーに対応しています。


移行戦略は十分な比較検討と専門家のアドバイスがカギ

各プロダクトはそれぞれに強みを持っており、自社の状況や求めるものに応じて選択できます。技術面はもとより運用やコストも含めて総合的に検討するとよいでしょう。
 
移行を進める際は、まず自社のシステム要件と各ソリューションの特徴を十分に比較検討し、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることが重要です。VMwareからスムーズに移行するためにも、アプリケーションの互換性確認や移行に伴うダウンタイムの最小化、セキュリティ要件の充足など、細かな技術的要件についても慎重に評価していく必要があります。
 
アルファテック・ソリューションズでは、これらのVMware代替ソリューションについて、豊富な導入実績に基づく知見を活かした支援を提供しています。システムの選定から移行計画の立案、実際の移行作業、そして移行後の運用支援まで、包括的なサポート体制を整えており、24時間365日の運用サポートも実施中です。
 
ウェビナーの録画映像はオンデマンドで視聴できます。Azure IaaSの移行イメージなど、より詳細な情報をご希望の方はそちらもぜひご覧ください。



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※本ブログは2024年11月19日(火)に開催したウェビナーの講演内容を元に制作しております。
 ウェビナー内容およびウェビナーで投影している資料については、2024年10月中旬時点の情報となります。

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