Power Platform によるノーコード/ローコード開発
新しい「公用車管理」を実現するための総務部企画課と財務部、ATSによる機能要件の擦り合わせは5回以上に及んだが、要件が決まると開発は早かった。内山氏は次のように振り返る。
「プロトタイプ開発に1週間、その後の本番開発・テストを経て完成まで4週間かかりませんでした。このスピード感こそが、クラウドテクノロジーを活用する大きなメリットです」
都留市役所の「公用車管理」はMicrosoft 365とFormsの標準機能で実装されたが、Microsoft 365に付属するPower Platform(Power Apps/Power Automate)を使いこなせば、ノーコード/ローコードでの業務アプリケーション開発や定型業務の自動化が可能だ。
「Power Platformでは、プログラミングなどの専門知識がなくてもアプリケーションを開発できます。そして、それを誰でもメンテナンスできることが重要です。Excelのマクロが作り込まれた 環境などで起こりがちな属人化問題を回避できます」(内山氏)
秦氏、野﨑氏らは、Microsoft 365の新しい適用分野のリストアップを進めている。
「Forms は市民を対象にしたアンケート・調査などにすぐに活用できそうです。また、ノーコード/ローコード開発に関しても、アナログな手順が残っている庁内業務のデジタル化に適用できないか可能性を探っています。市職員の在宅勤務/テレワーク環境の本格導入も、いよいよ視野に入ってきました」(秦氏)