社会福祉保人恩賜財団済生会
富山県済生会富山病院様    

地域医療を支える信頼と安心を HPE InfoSight 予兆検知テクノロジーが守る

富山市北部地域の中核病院として、地域に根ざした医療を提供する富山県済生会富山病院が、電子カルテ/オーダリングシステムと部門システムを最新化した。24時間365日 無停止で医療の現場を支える本システムの仮想化基盤刷新を担ったのは、ソフトウェア・サービスとアルファテック・ソリューションズである。部門システムの中核ストレージにはHPE Nimble Storage を採用。HPE InfoSight の障害予兆検知機能を利用し、サービスに影響する問題を事前に解決する万全の保守フローを整備している。

社会福祉法人恩賜財団済生会
富山県済生会富山病院

全20科の診療科目を提供する富山市北部地域の中核病院であり、富山医療圏の病院群輪番制病院として二次救急を担う。県内で唯一のSCU 6床を有する脳卒中センターを併設している。
お客様課題
  • 電子カルテ/オーダリングおよび部門システムを支える仮想化基盤の最新化
  • 24時間365日の無停止運用と確実なデータ保護・復旧体制の構築
ソリューション
  • 部門システムの中核にHPE Nimble Storageを採用し仮想化基盤全体の信頼性を向上
  • サーバーおよびストレージの主要コンポーネントを冗長化し単一障害点を解消
  • データバックアップおよびシステムの保守フローを見直し問題発生時の解決を迅速化
導入成果
  • HPE InfoSightの予兆検知により問題発生前の計画保守が可能に
  • HPE Nimble Storageの重複排除・圧縮機能によりデータ量を1/3に削減
  • 最新の電子カルテ/オーダリングシステム「新版e-カルテ」「NEWTONS2」を3.5ヶ月で導入
  • 病院中核システムの安定運用と確実なデータ保護・復旧体制を実現

電子カルテ / 部門システムを最新化

社会福祉法に基づく公的医療機関を全国に展開する社会福祉法人恩賜財団済生会。
富山県済生会富山病院は、済生会が掲げる「施薬救療」の理念に基づき地域に根ざした医療サービスを提供している。富山市北部地域の中核病院としての役割を担いつつ、急性期病院、脳卒中専門医療機関としての役割も高めている。
2019年8月、同院は電子カルテ/ オーダリングシステム、これと連携する部門システム群を最新化した。富山県済生会富山病院 情報管理室 主任の永森脩一氏は次のように話す。

「2009年に導入した電子カルテ/オーダリングシステムは、病院全体の診療・会計業務の効率化に大きく貢献してきました。2018年から着手したリニューアルでは、医療・介護診療報酬制度の改定に対応する最新版へのアップデートと、仮想化基盤のハードウェア更新を同時に実施しました」

富山県済生会富山病院が利用する電子カルテ/オーダリングシステムは、ソフトウェア・サービスが開発・提供する「e-カルテ」「NEWTONS」である。医師や看護師は、シンプルで使いやすいインターフェースからカルテ参照と検査・処方などのオーダー機能をシームレスに利用できる。今回のリニューアルでは最新版である「新版e-カルテ」「NEWTONS2」へのバージョンアップを行った。

「また、本プロジェクトでは『部門システム』のインフラ最新化を同時に進めました。部門システムには、心電図データ管理、調剤支援、文書管理、ナースコールなど多様なアプリケーションがありますが、これらを新しい仮想化基盤に移行したのです」(永森氏)

富山県済生会富山病院が本プロジェクトのパートナーに指名したのは、医療情報システムの分野で豊富な実績を誇るソフトウェア・サービス(SSI)である。アルファテック・ソリューションズ(ATS)は、同社と緊密に連携しながら新しい仮想化基盤の設計・構築・運用保守を担当した。

多様なワークロードを集約する部門システムの設計

電子カルテ/オーダリングシステムと部門システムには、等しく24時間365日無停止での安定的なサービス提供が求められる。2つの仮想化基盤それぞれの信頼性をいかに高めるか、確実なデータ保護と迅速な復旧をいかに実現するかが重要なテーマとなった。ATS 西日本事業部 ヘルスケア営業部の船田幸弘氏は次のように話す。

「多様なワークロードを集約する部門システム向けに、ハードウェアレベルでの優れた耐障害性と、AI ベースの予兆検知機能を備えた『HPE Nimble Storage』を提案しました。99.9999%(年間停止時間約23秒)という驚異的な稼働実績を誇る本製品が、仮想化基盤の信頼性向上の要になる と考えたのです」

部門システムを稼働させる仮想化基盤に採用されたのは「HPE Nimble Storage HF20H」である。
同モデルは、SSD/HDDのハイブリッド構成によってコストを抑えながら22,500 IOPSという性能を発揮する。ATSの提案の注目すべきポイントは、「ハードウェアに何らかの不調が発生しても、 サービスに影響が及ぶ前に安全に対処できる仕組み」を整えたことである。
ATS 西日本事業部技術部の村尾大治氏は次のように説明する。

「HPE Nimble Storageでは、標準装備の管理ツール『HPE InfoSight』が問題の予兆を自動検知して通報します。HPEのサポートデスクでそのメッセージを確認・解析し、必要に応じてATSコールセンターと調整し、保守チームをアサイン、適切なタイミングで現地対応します。HPE Nimble Storage はディスク3本で同時に障害が発生しても処理を継続できるトリプルパリティRAID を 備えているので、ディスク交換が必要なケースでも余裕をもった対応が可能です」

HPE InfoSight は、世界中で稼働するHPE 製品の1,250兆というデータポイントからセンサー情報や稼動情報等を収集しながら学習し続けており、予兆検知の精度を着実に高めている。 他ベンダーでも類似サービスを始めているが、精度と実効性でHPE InfoSightの優位性は歴然としている。
「サーバー側は、仮想化ハイパーバイザーのライブマイグレーション/HAフェイルオーバー機能を利用して可用性を高めており、HPE 自動通報サービスと組み合わせて迅速な保守対応を可能にしています。HPE ProLiant DL360 Gen10サーバー、HPE Nimble Storage/HPE InfoSightによって構成された部門システムの仮想化基盤は、性能、信頼性、運用の容易さの全てで大きな進化を遂げました」(船田氏)
社会福祉法人恩賜財団済生会
富山県済生会富山病院
情報管理室 主任
永森 脩一 氏
社会福祉法人恩賜財団済生会
富山県済生会富山病院
情報管理室 主任
嶋作 英之 氏
株式会社ソフトウェア・サービス
技術営業部
顧客営業グループ
サブリーダー
中野 祥太 氏
アルファテック・ソリューションズ株式会社
西日本事業部
ヘルスケア営業部
リーダー
船田 幸弘 氏
アルファテック・ソリューションズ株式会社
西日本事業部
技術部
村尾 大治 氏

手間なく確実なバックアップを実現

新しい部門システムでは、「確実なデータ保護と迅速な復旧」というテーマに対しても合理的な解決がなされた。ATSが提案したのはVeeam Backup & Replicationである。富山県済生会富山病院 情報管理室 主任の嶋作英之氏は次のように説明する。

「Veeam を利用し、部門システムを構成する仮想マシン単位でイメージバックアップを取得する環境を構築しました。別筐体の物理サーバーに用意したバックアップ領域に、D2Dで自動的に バックアップを取得します。アプリケーションごとに異なるバックアップポリシーを適用しながら、手間なく確実にバックアップを取得する手順が構築できました。万一の際でも、仮想マシン単位 でのリストアおよびファイルレベルでの復元が可能なため迅速にサービスを復旧できます」

また、HPE Nimble Storageの重複排除・圧縮によって、実際に扱うデータ量は1/3以下に削減されたという。

優れたテクノロジーと問題解決力の高いチーム

SSIとATS は緊密に協力しながら本プロジェクトに取り組み、およそ3.5ヶ月でインフラ構築から 電子カルテ/オーダリングシステム、部門システムの導入を完了させた。SSI 技術営業部の中野 祥太氏は次のように振り返る。

「SSIでは、ATSと協力して『新版e-カルテ』『NEWTONS2』の導入規模(病床数・システム範囲・ システム数など)に応じた性能検証済みハードウェア構成を用意しています。このリファレンスを 活用して設計・導入を短期間で進めることができました」

これに対して、複数のアプリケーションを稼働させる部門システムの状況はもう少し複雑だ。
ATSの村尾氏は、「アプリケーションベンダーへのヒアリングを通じて必要なリソースを算出し、 仮想化基盤の設計に落とし込んでいきました。実装段階では、アプリケーションごとに必要なディ スクI/Oに特に注意してサイジングを行っています。HPE Nimble Storage はモデルごとにIOPS を保証しているので、容易に選定できるメリットがあります」と話す。

2019年8月に予定通り運用を開始して以降は、予兆検知だけでないHPE InfoSightの利用価値 を実感したという。
「HPE InfoSight は、HPE Nimble Storage の稼働状況や性能値、データ圧縮効果などをリアル タイムで可視化するとともに、リソース使用状況を計測しながら将来の使用量を予測できます。 リソースが逼迫する前に計画的に拡張できるので安心ですね。もっとも、重複排除・データ圧縮 の効果が期待以上なので、増設はかなり先の話になりそうです」と嶋作氏は笑顔を見せる。
ATS の船田氏は、「実効性が確認できた時点で、HPE InfoSight の適用範囲をHPE ProLiant Gen10サーバーにまで拡張する提案を差し上げたいと思っています。インフラ運用の自律化に 向けて大きく前進するものと期待しています」と抱負を語る。

「将来的には医療機関でもパブリッククラウドの活用が進んでいくと予想していますが、コストに 見合ったメリットが手に入るかは慎重に見極める必要があります」と永森氏は言う。

そして、次の ように語って締めくくった。
「今回のインフラ最新化では、AIテクノロジーを利用した予兆検知に一歩踏み出すことができま したが、安定的なサービス提供を継続させるにはそれに続くヒトの働きが重要と改めて感じまし た。私たちにとっては、SSI + ATSという技術力・問題解決能力の高いチームが手に入ったことが 大きな成果のひとつと言えるでしょう。今後も継続的な支援を期待しています」
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