多様なワークロードを集約する部門システムの設計
電子カルテ/オーダリングシステムと部門システムには、等しく24時間365日無停止での安定的なサービス提供が求められる。2つの仮想化基盤それぞれの信頼性をいかに高めるか、確実なデータ保護と迅速な復旧をいかに実現するかが重要なテーマとなった。ATS 西日本事業部 ヘルスケア営業部の船田幸弘氏は次のように話す。
「多様なワークロードを集約する部門システム向けに、ハードウェアレベルでの優れた耐障害性と、AI ベースの予兆検知機能を備えた『HPE Nimble Storage』を提案しました。99.9999%(年間停止時間約23秒)という驚異的な稼働実績を誇る本製品が、仮想化基盤の信頼性向上の要になる と考えたのです」
部門システムを稼働させる仮想化基盤に採用されたのは「HPE Nimble Storage HF20H」である。
同モデルは、SSD/HDDのハイブリッド構成によってコストを抑えながら22,500 IOPSという性能を発揮する。ATSの提案の注目すべきポイントは、「ハードウェアに何らかの不調が発生しても、 サービスに影響が及ぶ前に安全に対処できる仕組み」を整えたことである。
ATS 西日本事業部技術部の村尾大治氏は次のように説明する。
「HPE Nimble Storageでは、標準装備の管理ツール『HPE InfoSight』が問題の予兆を自動検知して通報します。HPEのサポートデスクでそのメッセージを確認・解析し、必要に応じてATSコールセンターと調整し、保守チームをアサイン、適切なタイミングで現地対応します。HPE Nimble Storage はディスク3本で同時に障害が発生しても処理を継続できるトリプルパリティRAID を 備えているので、ディスク交換が必要なケースでも余裕をもった対応が可能です」
HPE InfoSight は、世界中で稼働するHPE 製品の1,250兆というデータポイントからセンサー情報や稼動情報等を収集しながら学習し続けており、予兆検知の精度を着実に高めている。 他ベンダーでも類似サービスを始めているが、精度と実効性でHPE InfoSightの優位性は歴然としている。
「サーバー側は、仮想化ハイパーバイザーのライブマイグレーション/HAフェイルオーバー機能を利用して可用性を高めており、HPE 自動通報サービスと組み合わせて迅速な保守対応を可能にしています。HPE ProLiant DL360 Gen10サーバー、HPE Nimble Storage/HPE InfoSightによって構成された部門システムの仮想化基盤は、性能、信頼性、運用の容易さの全てで大きな進化を遂げました」(船田氏)