群栄化学工業様

Azure Stack HCI によるハイブリッドクラウド化で
「データ主権」を確保したモダナイゼーションを実現

フェノール樹脂に代表される高機能化学品に強みを持つ群栄化学工業が、多様な業務を支える仮想化基盤を最新化した。注目すべきは、同社が「データ主権」を確保しながら、進化するクラウドテクノロジーのメリットを享受できる環境を実現したことだ。いま、多くの企業が「データの所有者自身がデータを管理・制御する」ことの重要性を認識しながら理想に近づけずにいる。アルファテック・ソリューションズの提案は、Azure Stack HCI を利用するハイブリッドクラウド化にその解決策を見出したユニークなものだった。

群栄化学工業株式会社

群馬県高崎市宿大類町700番地

「ケミカルサイエンス」と「フードサイエンス」の2つの事業を柱に、様々な産業分野に向けて独創的な機能性材料を提供。
中でも「レヂトップ」のブランドで知られる化学製品は、その優れた性能が世界中で高く評価されている。国内3拠点(群馬、
滋賀、岩手)および海外2拠点(タイ、インド)の生産体制を確立し、高品質な材料をグローバルに安定供給しながらビジ
ネスを成長させている。

お客様の課題
  • 仮想化基盤の最新化における「データ主権の確保」と「クラウドテクノロジーの積極活用」の両立
  • バックアップ環境の刷新とBCP/DR対策、Windows Server 2012のサポート終了対策
  • 業務影響を最小化できる安全なシステム/仮想マシンの移行
ソリューション
  • Azure Stack HCIによるインフラ最新化とハイブリッドクラウド化
  • Veeam Backup & ReplicationによるAzure Blob Storageとのクラウドバックアップ連携
  • Veeam Backup & ReplicationインスタントVMリカバリを用いた移行時のダウンタイム短縮
導入成果
  • システム構成のシンプル化、運用の平易化・均質化、ビジネスアジリティの向上を実現
  • 現時点での理想的なハイブリッドクラウド環境と、将来のマルチクラウド化への備えを実現
  • IT部門の運用業務を効率化し、デジタル変革へのチャレンジを推進
  • オンプレミスで「データ主権」を確保しながら、クラウドと連携した運用管理やデータ保護を可能に
  • オンプレミスとクラウドが連携するデータ保護・BCP/DRを実現
  • Windows Server 2012の3年間の延長保守を利用可能に

フォトレジスト用樹脂グローバルシェアNo.1

群栄化学工業は、群馬県高崎市に本社・技術開発センターを置き、幅広い産業分野に向けて機能性材料を提供する素材メーカーである。フェノール樹脂に代表される高機能化学品に強みを持ち、半導体製造に欠かせないフォトレジスト用樹脂ではグローバルシェアNo.1を誇る。コーポレート本部 管理部 情報システム課長の和田正人氏は次のように話す。

「群栄化学工業は、電子部品、自動車、産業・工業材料、住宅など産業分野のニーズに応えるケミカルサイエンス事業と、高品質なでんぷん糖製品を提供するフードサイエンス事業を軸にビジネスを展開しています。北米、欧州、アジア圏に拠点を展開し、グローバルに高品質な材料を供給できる体制を整えてきました。また、独自の高機能繊維『カイノール』、植物由来の高機能な糖製品など、環境材料分野の強化にも力を注いでおり今後大きな成長が期待されています」

群栄化学工業では、長期ビジョン『Green・Chemical・Industry(GCI)』を掲げ、同社が社会に貢献すべき分野を「デジタル化」「サステナビリティ」「健康」と定義している。

「成長戦略の推進とビジョンの実現に向けて、全社を挙げて様々な取り組みが始まっており、事業部門からのシステム要求の頻度も高まってきました。私たちは、2023年に更新することが決まっていた仮想化基盤を、デジタル変革へのチャレンジを支えるモダンなシステムに生まれ変わらせようと考えました」(和田氏)

仮想化基盤の最新化で採用されたのは、Microsoft Azureとの連携機能が強化された Azure Stack HCIである。アルファテック・ソリューションズは、群栄化学工業が直面していた課題に対する解決策を明示するとともに、同社にとって理想的なハイブリッドクラウド環境の実現をトータルにサポートした。

群栄化学工業株式会社
コーポレート本部 管理部
情報システム課長
​​和田 正人 氏

群栄化学工業株式会社
コーポレート本部 管理部
情報システム課 係長
大塚 友也 氏

アルファテック・ソリューションズ株式会社
エンタープライズ事業部 技術部 
第2技術グループ
サブマネージャ
豊田 武志
アルファテック・ソリューションズ株式会社
エンタープライズ事業部 技術部
第2技術グループ
倉内 萌
アルファテック・ソリューションズ株式会社
エンタープライズ事業部 営業部
第1営業グループ
正木 志帆

Azure Stack HCI によるハイブリッドクラウドの実現

ワークフローシステムやグループウェアなど、情報系を中心に多様なシステムが集約された既存仮想化基盤は2017年に整備された。インフラ最新化の直接的な目的は導入から5年以上が経過したハードウェアの更新だったが、他にも解決すべき課題があったという。コーポレート本部 管理部 情報システム課 係長の大塚友也氏は次のように話す。

「3Tierによる仮想化基盤は構成が複雑で、何らかの不具合が発生したときの原因特定や問題解決が難しいことや、新しい仮想マシンを立ち上げて事業部門が使える環境を整えるにも手間がかかるといった課題がありました。また、ストレージが単一障害点になり得ることにも不安を抱えていました。システム構成をシンプル化し、運用を平易化して誰にでも扱えるようにし、ビジネスアジリティに優れた高信頼なシステムを実現したい――そのためには、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品が最適と考えました」

群栄化学工業が採用したAzure Stack HCIは、Storage Space Direct(S2D)によるストレージレスでの共有クラスタ構成を実現する機能を継承しつつ、パブリッククラウドサービスMicrosoft Azureと接続し、Azureのリソースの一部として扱うことができる最新のHCI製品だ。専用のAzure Stack HCI OSを搭載し、Azure Portal、Azure Resource Manager、Azure Arcなど、クラウドから提供される各種サービスと連携する。

「オンプレミス環境で『データ主権』を確保しながら、進化し続けるAzureサービスを利用できることがAzure Stack HCIの大きな魅力です。データ管理を成立させているテクノロジーとシステムを理解したうえで、私たちのコントロール下に置くことができるのです。システムのシンプル化、運用の平易化、ビジネスアジリティの強化に加え、BCP/DRにも応用できるものと期待しました」(大塚氏)

Azure Stack HCIは、使用コアあたりのサブスクリプションライセンスで導入され、システムは常に最新の状態を維持できる。品質・セキュリティ更新プログラムが月次で適用され、Azure Stack HCI OSは年1度のサイクルでアップグレードされる。

アルファテック・ソリューションズは、大塚氏らと密にコミュニケーションを図りながら着実に課題を洗い出し、一つひとつ解決方法を具体化していった。担当営業として本プロジェクトに参画した正木志帆は次のように話す。

「Windows Server 2012のサポート終了が2023年10月に迫っていましたが、Azure Stack HCIであれば拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を3年間無償で利用できます。私たちはサポート不安を解消したうえで、オンプレミスとクラウド両方のメリットを最大化するための施策をご提案しました」

効果的なデータ保護とBCP/DR の実現

 

Azure Stack HCI導入で得られるメリットを最大化するために、アルファテック・ソリューションズは 次のポイントに注力した。
 

  • Azure Stack HCIでデータ主権を維持しつつ、クラウドサービスとリソースを最大限に活用できるハイブリッドなシステム構成
  • Veeam Backup & Replicationによるデータ保護とAzureを活用したBCP/DR対策
  • システム移行に伴う業務影響を最小化するためにVeeam Backup & Replicationを利用
  • システム運用管理のモダン化とアルファテック・ソリューションズによるワンストップ保守

 

 「システム構成の大前提として、Azure Stack HCIでデータ主権を維持しつつ、クラウドと疎結合し多様なサービスを利用可能にすることを最重視しました。具体的には、Azureとのサービス 連携、障害予兆検知のクラウドサービスの適用、BCP対策としてのAzureオブジェクトストレージの活用などです」と同社 技術チームでプロジェクトマネージャーとして本プロジェクトを推進した 豊田武志は話す。

既存の仮想化基盤ではデータバックアップの不具合が発生していたが、Azure Stack HCIによる新システムはこの問題を解決するとともに、Azure上でのデータ保護を通じてBCP/DR対策も実現した。ここにもアルファテック・ソリューションズの知見が活かされている。同社 技術チームの倉内萌は次のように話す。

「Veeam Backup & Replicationを利用して、RPO/RTOの観点からローカルで1次バックアップを取得し、Azure Blob Storageへコピーする仕組みを整備しました。これによりデータ保護の確実性を高めるとともに、コストを抑えながら拠点災害発生時のデータ消失リスクを大幅に低減させています。Veeamは仮想化環境との親和性が高く、Azure Stack HCIとAzure間で仮想マシンとバックアップデータを自由に行き来させることができるだけでなく、様々なクラウドIaaS環境間の連携もサポートしています。この特徴を活かせば、より柔軟にハイブリッドクラウド環境を維持できると考えました」

Veeamは新システムへの移行でも活用された。豊田・倉内らは慎重に移行スケジュールを策定し、Veeamの「インスタントVMリカバリ」を利用して、VMware vSphereによる仮想化基盤で稼働する30システムをAzure Stack HCIに移行させていった。

バックアップ /リストアを用いる従来型の移行方法では、バックアップデータを本番環境にコピーする工程が復旧を大幅に遅らせる要因となる。
これに対して「インスタントVMリカバリ」は、バックアップ領域に保存されたVMデータを仮想基盤に直接登録することでシステムを再稼働できる。

もちろん、システム稼働後には業務影響なくバックグラウンドでバックアップデータが本番ストレージにコピーされる。「Veeamで取得したバックアップデータをHyper-V形式に変換し、Azure Stack HCI上でバックアップデータから直接仮想マシンを起動させていきました。これによりシステム停止時間を1仮想マシンあたり1時間以内に抑えつつ、着実にアプリケーションの再稼働を進めることができました」(倉内)

「移行作業は営業日を回避して週末に実施したのですが、週明けに業務が始まったとき、社員の誰一人としてシステムが切り替わったことに気づきませんでした。30システムすべてをノートラブルで移行させたことに、アルファテック・ソリューションズの技術力の高さを改めて実感させられました」と大塚氏は評価する。

運用面では、Windows Admin Centerを利用して、日常的な稼働監視や仮想マシンの作成などを容易に行えるようになった。

「直感的なGUIから操作できるため経験の少ないITスタッフでも扱えるようになり、システム運用の均質化が図られたことは大きな成果です。Azure Portalによるクラウドベースのモニタリングも段階的に進めています」(大塚氏)

豊田は、「システムの不調に際しては、アルファテック・ソリューションズが一次窓口として問題の切り分けを支援するとともに、必要に応じてハード/ソフトウェアベンダーへのエスカレーションを行うサポート体制を整えています」と続けた。

技術革新に追従するためのより良い選択

群栄化学工業がAzure Stack HCIによるハイブリッドクラウド環境の運用を開始しておよそ半年、システムのシンプル化、運用の平易化、ビジネスアジリティの強化、データ保護とBCP/DR対策といった目標はすべて達成されたが、すでに次のチャレンジも始まっている。

「生成 AIに象徴される技術革新が驚くべき勢いで進んでいく中、Azure Stack HCIの導入によって、私たちが巨大な進化の流れに乗ることができたのは間違いありません。Azureサービスとクラウドテクノロジーの枠組みの中で、私たちは着実にそのメリットを享受できる環境を手に入れたのです。買い切りライセンスによる従来型のシステムでは、減価償却が終わる5年後まで新しいテクノロジーを利用できず、競争力を低下させかねなかったでしょう」と大塚氏は話す。

群栄化学工業では、DXを加速させるモダンなアプリケーションの開発が進み、コンテナ技術の採用や複数のパブリッククラウドの使い分けも始まっている。「次のテーマは、Azure Arcによるハイブリッド/マルチクラウド環境の統合管理の実現」と大塚氏は力を込める。

大塚氏をサポートする形で、アルファテック・ソリューションズのメンバーが強力なチーム編成でプロジェクトに臨んだことが大きな成功要因となった。和田氏は「私たちが認識していた課題だけでなく潜在的な問題点までも探り当て、その解決方法とあるべき姿を示し、圧倒的な熱量をもって実際にそれを具現化してくれた」と話しつつ次のように結んだ。

「チームの熱量の高さとそれを支える確かな技術力を常に感じながら、安心してプロジェクトを任せることができました。アルファテック・ソリューションズには、これからも私たちのIT環境とビジネスを支える力強いサポートを期待しています」
記載の会社名、団体名や製品名は各社の商標または登録商標です。
記載の内容は個別に明記された場合を除き2023年12月現在のものです。
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