稼働率99.9999%を誇るHPE Nimble Storageを採用
学研エデュケーショナルが示した方針に対し、電巧社とアルファテック・ソリューションズは協力して提案を具体化していった。電巧社 SI事業部で技術部長を務める髙橋敦史氏は、インフラ設計のポイントを次のように説明する。
「仮想化基盤の信頼性・可用性向上の要となるのは統合ストレージです。私たちの提案の軸は、99.9999%(年間停止時間約23秒)を超える驚異的な稼働実績を誇る『HPE Nimble Storage』を仮想化基盤の中核に据えることでした」
HPE Nimble Storageは、ハードウェアレベルでの優れた耐障害性と、AIを活用した予兆検知機能を備えた新世代ストレージとして急速に支持を拡大している。HPEインフラ製品のインテグレーションで多くの実績を持つアルファテック・ソリューションズの印南浩次氏は次のように説明する。「HPE Nimble Storage最大の特長は、AIベースのレコメンデーションエンジン『HPE InfoSight』が問題の予兆を自動検知し、適切な対処法を示してくれることです。これにより、障害が発生してサービスに影響が及ぶ前に、真にプロアクティブな保守対応が可能になります。また、ハードウェアレベルでは、ディスク3本で同時に障害が発生しても処理を継続できるトリプルパリティRAID を備え、コントローラー障害時の交換やファームウェア更新も無停止で行えます」
開発元のHPEでは、HPE InfoSightにより「ユーザーが問題を把握する前に、その86%を自動的に予測して解決できる」としている。HPE Nimble Storageは、学研エデュケーショナルの求める『無停止』という要件にまさに合致したソリューションとなった。
「どれだけ高品質なハードウェアでも、不調のリスクはゼロにはなりません。『壊れることを前提に、予兆を検知して事前に対処可能にする』という発想転換が素晴らしいと感じました」中嶋氏は評価する。
石原氏も、「HPE Nimble Storage をSSDとHDDのハイブリッド構成とし、コストを抑えながら高いIOPSを実現しました。同時に10Gのネットワーク帯域も確保しています。動画配信を含めて教材やコンテンツがますますリッチになっていく中で、これらは大きな安心材料です。また、HPENimble Storageならではの圧縮・重複排除技術によるデータ削減効果にも期待しています」と話す。