本プロジェクトを全面的に支援したのが、キヤノンライフケアソリューションズとアルファテック・ソリューションズのチームだった。キヤノンライフケアソリューションズ 医療ソリューション営業本部 部長の池享造氏は次のように振り返る。
「2012年頃、最初に話をお聞きしたときは大胆な発想に驚きましたが、同時に、本部としてグループ全体でシステムを最適化するには最善の方法だと確信しました」
愛仁会本部は、2016年前半に示された基本方針に沿って10月にプロジェクトを立ち上げた。設計・構築に着手したのは2017年2月である。同社の神原尚男氏は、「当初は、すべてのシステムをデータセンターの仮想化基盤に統合する方針でした。私たちは既存環境を一つひとつ検証し、データセンターに移設可能なシステム、病院内に残すべきシステムを慎重に精査していきました」と話す。 「ミッションクリティカル性が高く停止や遅延が許されないシステムや、ネットワーク負荷の高い画像・動画系のシステムは、病院内に構築した仮想化環境に統合することに決めました。コストの適正化を含め、合理的な選択ができたと考えています」と井内氏はキヤノンライフケアソリューションズの提案を評価する。
こうした要件を受けて仮想化基盤の設計・技術評価・製品選定を行ったのが、アルファテック・ソリューションズである。同社 ヘルスケア事業部の山村将人氏は次のように話す。
「仮想化基盤には要件の異なる多様なシステムを統合しますので、高い可用性を確保しつつコストとのバランスを最適化することが重要になります。私たちは適材適所の機器選定を進め、特にストレージ選定には慎重を期しました」
また、同社の藤本有理氏は「アプリケーションベンダーへのヒアリングを通じて必要なリソースを算出し、仮想化基盤の設計に落とし込んでいきました。実装段階では、アプリケーションごとに必要なディスクI/Oに配慮してリソースを割り当てる方法を採っています」と話す。サーバーには、仮想環境構築に数多くの実績を持つ「HPE ProLiant DL380 Gen9」を採用。共有ストレージは、高性能・高信頼の「HPE 3PAR StoreServ Storage」とコストパフォーマンスに優れた「HPE MSA 2040 Storage」を適材適所で使い分ける構成とした。