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DX時代のデータ保護と利活用セミナー:DXで価値を作る・得るには?


本記事は、2020年1月23日に開催したDX時代のデータ保護と利活用セミナーの講演内容をもとに執筆しています。


データは”使えるもの”になっていますか?
通常、ビジネス向けのIoT機器や業務アプリ、システム、セキュリティツールには管理用の画面やダッシュボードが搭載され、それらの管理者は設定変更やサービスの状況確認ができます。しかし、あらゆる機器やセンサーが生成する膨大なデータを一元的に管理し、意思決定や行動に繋げることは容易ではありません。

そこで、データを管理者だけのものではなく、”すべての人に、アクセス可能に、便利なものに、そして価値あるものに” することを可能にするマシンデータ分析プラットフォームが「Splunk」です。


Splunkとは?
Splunkは2003年に米国で創業された企業で、世界中の顧客にマシンデータ分析ソフトウェア「Splunk Enterprise」をはじめとするソフトウェアを提供しています。社名・ソフトウェア名のSplunk(すぷらんく)の語源は「spelunking(すぺらんきんぐ)」(洞窟探索)が語源とのことです。


マシンデータとは?
Splunkが扱う「マシンデータ」はログデータだけでなくメトリックデータ(計測値)など、あらゆるデータを含みます。


マシンデータ 分析プラットフォーム「Splunk」
ビジネスのインフラでは、さまざまなシステムでログデータが生成されますが、システムやアプリの種類、開発ベンダーにより含まれる内容も記述のされ方も独自の方式になっており、利用者・管理者にとっては非常に“やっかい”なものです。そのため、何らかのトラブルが発生したときに初めてシステムの異常を認知し、ベンダーに解析を依頼し、応答を待つという非効率な運用になりがちです。

Splunkはどんなソースからのどんな形式のテキストデータでも高速にインデックス化を行います。一般的なソフトウェアでは要件定義やデータ・モデル調査、データソースの調査や整備、スキーマ設計が必要になりますが、Splunkはそれらの工程をスキップし、データを取込した後からあらゆる要件に対応することが可能になります。インターネットで検索をするように、Splunkのサーチ欄にキーワードと検索期間を入力すると、Googleの検索結果のように関連度の高いデータがすばやく表示され、探したいデータにアクセスすることが可能になります。また、日頃のサービスやパフォーマンス監視などについては、Splunkはさまざまなデータをグラフィカルに表示します。


Splunkのグラフィカルに優れたダッシュボード


様々なマシンデータをSplunkに取り込む
Splunkで分析したい対象が決まっている場合は、そのデータを取込む使い方となりますが、講演では、「まずはデータを片っ端から取込み、Splunkにそれぞれの相関を見つけ出してもらう」使い方がおすすめとお話されていました。
Splunkでは、1,000を超えるパートナー、コミュニティによるエコシステムができており、Splunkbaseライブラリでは様々なアプリやツールに最適なダッシュボードやレポート、データセットをダウンロードし追加することができます。用意されたテンプレートを使うことで、簡単に活用や拡張に役立ていただけます。公開されているもののほとんどは無料とのことです。


Splunkbaseライブラリのスクリーンショット


セキュリティ強化での導入が多いSplunk
SplunkはIT運用効率の向上やセキュリティ強化の目的でまずは導入されるケースが多いとのことです。最近では企業内のネットワークを分析する次世代型の監視・検知システムとして「SIEM(シーム、Security Information and Event Management)」が注目されています。例えば、標的型攻撃や、不正アクセスなどを統合的に管理する場合、以下のようなデータがあります。

  • ユーザーID
  • オフィスへの入退館履歴
  • システムへのアクセス・ログイン履歴
  • パスワード変更・失敗ログ
  • 機密ファイルへのアクセスログ

SplunkはこのようなSIEM(セキュリティ情報とイベント管理)にも全体を把握し、いち早く予兆を検知することに効果を発揮します。


使えば使うほど活用の幅が広がっていくSplunk
セッションの後半ではデモとあわせて特徴的な導入事例をご紹介いただきました。企業ごとに活用のされかたが違っており、とても興味深い内容でしたので、いくつかご紹介します。


Domino
宅配ピザでおなじみの米国Dominoは、デジタルがビジネスに直結しています。
当初はIT運用やトラブルシューティングのためにSplunkを導入しましたが、マーケティング部門がキャンペーンの効果測定・顧客分析にも使うようになりました。キャンペーンクーポンを配布するときのタイミングや値引き率、顧客のデバイスなどさまざまなデータを分析し、最適な意思決定に活用するようになりました。


ドバイ空港
サービス向上のため、空港内のFree Wi-Fiの状況監視・運用管理にSplunkを導入しました。現在では、さらなるサービス向上のために、セキュリティゲートの長蛇の列・待ち時間短縮の対策として、IoTカメラによる行列の人数データの取得や、空港の駐車場の最適化などにも活用しているとのことです。


エアバス社
欧州の航空機メーカーのエアバス(Airbus)社でも、複数のユースケースでSplunkを使用してデータを処理しています。セキュリティやカスタマーサポートのほか、保守部材のスペアパーツの管理にもSplunkを活用しています。さまざまなスペアパーツの在庫を管理し、主要倉庫から世界中に数時間以内に配送できるようにし、航空機が飛行できない時間を最小限に抑えるうえでSplunkがビジネスをサポートしています。


まとめ
マシンデータ分析プラットフォーム「Splunk」について、DXにどのように役立つかイメージが伝わりましたでしょうか?DXの成功例として注目されている企業は、ビジネスの現場で生成されるデータを価値あるインサイトとして、ビジネス全体の改善に活用しています。
データを”使えるもの”にする手段として、さらにIT運用やセキュリティにとどまらない活用の幅をもつSplunkのデータ分析プラットフォームについて、ご説明資料やヒアリング・デモなどをご希望の方は、ぜひお気軽にお問合せください。


当記事は、2020年1月23日に開催した「DX時代のデータ保護と利活用セミナー」の内容を元に作成しています。記事の中には各社の見解などが含まれる場合があります。記載の社名・製品名は各社の商標または登録商標です。



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