青森県教育庁様

「統合型校務支援システム」のクラウド化と
ゼロトラストセキュリティの実現

青森県教育庁が、県立学校67校でおよそ3,750名の教職員が利用する「校務支援システム」のクラウド化と、これを支える「セキュリティ基盤」の導入を進めている。文部科学省の推奨する「GIGAスクール構想の下での校務DXについて」の中で示された望ましいセキュリティ要件に準拠し、パブリッククラウドへ全面移行しつつゼロトラストを実装することが大きな特徴だ。Microsoft 365 A5 と Microsoft のセキュリティソリューションを包括的に活用することでこれを実現する。アルファテック・ソリューションズ(ATS)は、2026年2月の完成を目指し青森県教育庁と緊密に連携して「セキュリティ基盤」の構築プロジェクトを推進している。

青森県教育庁

県庁 青森県青森市長島一丁目1番1号

「⻘森の未来を担うこどもたちのための学校教育改革」を掲げ、生きる力を育む(自ら考え、判断し、行動するたくましい力)、郷土を育てる力を育む(ふるさとを知り、愛着と誇りを持つ)、個性を生かす力を育む(人を思いやり認めた上で、自己を肯定し自分の才能を生かす)ことを重視し、「学びと挑戦」「主体性」「対話」を軸にした教育方針を打ち出している。


https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-seisaku/main.html

お客様の課題
  • 「教職員の働き方改革」を支える次世代校務支援システムの実現
  • システムの全面クラウド化と、これを支える「セキュリティ基盤」の整備
  • 文部科学省が推奨する「GIGAスクール構想の下での校務DXについて」の中で示された望ましいセキュリティ要件への準拠
ソリューション

 

  • クラウド利用の安心・安全を支える「ゼロトラストセキュリティ」の実装
  • Microsoft 365 A5およびMicrosoftのセキュリティソリューションの導入
  • 統合認証基盤から、データ暗号化・情報漏洩対策、デバイス管理、マルウェア対策まで包括的に対応
導入成果

 

  • 「教職員の働き方改革」を通じて校務の時間を短縮し、児童・生徒に向き合う時間の創出を可能に
  • 校務系用と学習系用のネットワークを統合し、「端末2台持ち」を解消するとともに、校内のどこからでも校務を遂行可能に
  • パブリッククラウドへの移行による運用負荷の低減、5年間の総コストの削減
  •  「教育ダッシュボード」のセキュアなデータ連携・データ活用を支える基盤を整備

教育改革の基盤整備として「校務支援システム」をクラウド化

郷土に誇りを持ち、多様性を尊重し、創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓く人づくりへ――青森県教育庁が掲げる令和7年度の「学校教育指導の方針と重点」には、青森の未来を担う児童・生徒たちのために「教育改革」を推進する強い意思が示されている。学校教育課 学校デジ
タル化推進チームの川口肇大氏は次のように話す。

「『学校教育改革元年』として位置づけられた令和6年度より、教育改革と教職員の働き方改革に取り組んできました。学校においては、学びと挑戦、主体性、対話を軸にした教育を実践するために、児童・生徒たちに寄り添う教職員の余白づくりがいっそう重要になっています。そこで令和7年度は、教育改革をさらに力強く進めていくための基盤整備に着手しました。『統合型校務支援システム』のクラウド化です」

青森県では、67の県立中学校、高校、特別支援学校で約23,000名の児童・生徒が学んでいる。
統合型校務支援システムを利用するのは、これら県立学校の教職員およそ3,750名である。「現在の統合型校務支援システムは令和2年度に導入され、オンプレミスシステムとしてデータセンターで運用されています。クラウド化にあたっては、文部科学省が推奨するセキュリティ要件に
準拠し、パブリッククラウド上にシステムを整備するとともに、関連システムを効果的に連携させて、教育データを有効に活用できるダッシュボードを構築します。これらの基盤整備を通じて教職員の働き方改革を支え、教育の質をいっそう向上させていく方針です」と川口氏は力を込める。

文部科学省が推奨する「GIGAスクール構想の下での校務 DXについて」では、学校現場で取り扱う情報のうち、機微性が高い情報へのアクセスについて、いわゆるゼロトラストセキュリティに関する要素技術を複数組み合わせる考え方も示されている。

「青森県教育庁ではオンプレミスからクラウドへシステムの全面移行を進めており、『統合型校務支援システム』のクラウド化はその一環と位置づけられます。職員室という場所に縛られず快適かつ安全に校務支援システムなどを利用できる環境の整備は、教職員の校務にかかる時間を短縮し、児童・生徒により多くの時間を向けられる『新しい働き方』を具現化するために欠かせないものです」(川口氏)
青森県教育委員会
学校教育課 学校デジタル化推進チーム
指導主事
川口 肇大 氏
アルファテック・ソリューションズ株式会社
社会公共事業部 自治体文教技術グループ
エバンジェリスト
小林 華子 氏

包括的かつムダなくゼロトラストセキュリティを実装

青森県教育庁におけるクラウド型「統合型校務支援システム」の導入プロジェクトは、青森県を基盤にICTソリューションを提供するビジネスサービス(KBS)のもと、統合型校務支援システム「School Engine」の開発元であるシステムディ、「セキュリティ基盤」を担当するアルファテック・ソリューションズ(ATS)の3社が協力する体制で進められている。

「『セキュリティ基盤』における提案は、この領域を担うATSがMicrosoft 365とMicrosoftのセキュリティソリューションに精通したプロフェッショナルであることを実感させるものでした。中でも、ゼロトラストセキュリティの実装に関しては、文科省の『セキュリティ要件』に準拠した上で青森県の要件を捉えた合理性の高い提案内容でした」と川口氏は話す。

ATSにはMicrosoft 365やAzureの認定資格エンジニアが多数在籍し、Microsoft製品を活用したソリューションの提供で豊富な実績がある。エバンジェリストとして青森県様の課題に対し、最適なソリューションを提案したATSの小林華子氏は次のように話す。

「私たちの提案のポイントは、利用中のMicrosoft 365 A3をA5にアップグレードし、ここにMicrosoft Entra Internet Accessを組み合わせて、包括的かつムダなくゼロトラストセキュリティを実装するというものです。青森県様はオンプレミスシステムとデータセンターを完全に撤廃する計画であり、県立学校とAWS、Microsoft 365、各種 SaaSをセキュアに接続することが要件となります。外部から校内やデータセンターにアクセスする必要がないので、導入製品を合理的に絞り込むことができました」

Microsoft Entra Internet Accessは統合認証基盤であるMicrosoft Entra IDと連携し、様々な脅威や安全でないコンテンツ、悪意のあるトラフィックをブロックする。ゼロトラスト環境に欠かせないSecure Web Gateway(SWG)である。

「Microsoft 365 A5にはMicrosoft Defender for Cloud Appsと呼ばれるCloud Access Security Broker(CASB)が含まれており、これにより校内からマルチクラウドへのアクセスを保護します。
すでに利用しているMicrosoft 365 A3をベースにSecurity Service Edge(SSE)製品を組合わせる構成や、A5+SSEの構成も考えられますが、機能が重複してしまうなどの課題もあり、システム構成の合理性やコスト面を踏まえてもATSの提案が最適と判断しました」(川口氏)

Microsoftソリューションにおける高度な知見

青森県教育庁が整備を進める「セキュリティ基盤」は次の主要技術によって構成される。ATSの 提案は、Microsoft製品を包括的に採用することで、ゼロトラストの要件を満たしながらコストを抑えられることが特徴だ。

ここには、数多くのMicrosoft 365導入を経験してきた ATSの知見が活かされる。

Microsoft 365 A5が提供

ID管理・統合認証基盤(Microsoft Entra ID)
クラウドアプリ制御・可視化(Microsoft Defender for Cloud Apps)
データ暗号化・情報漏洩対策(Microsoft Purview)
デバイス管理(Microsoft Intune)
マルウェア対策(Microsoft Defender for Endpoint)
校務データストレージ(SharePoint Online)
URLフィルタリング(Edge Web Content Filtering)

IDベースのアクセス制御

Secure Web Gateway(Entra Internet Access)
SWG Client(Global Secure Access Client)

青森県教育庁「セキュリティ基盤」におけるゼロトラストセキュリティの実装

ゼロトラストセキュリティが実装された環境では、外部からのサイバー攻撃やマルウェアの侵入と いった脅威への対応だけでなく、内部からの情報漏洩や不正アクセスに対しても備えができる。

「学習系と校務系のネットワークを統合するプロジェクトを並行して進めています。IDベースの アクセス制御によって、児童・生徒と教職員がアクセス可能なシステムやフォルダ、データ、ファイル などを厳格にコントロールします。これにより、教職員は学習用と校務用で端末を使い分ける 必要がなくなります」(川口氏)

ATSの小林氏は、「Microsoft Purviewにより機密レベルに応じて自動的にファイルの暗号化・利用制限を行うことで、万一誤った宛先に添付メール を送信しても、許されたユーザーしかファイルを参照できないよう対策します」と続けた。

セキュリティ基盤では ID管理が Entra IDに統合され、シングルサインオンにより複数のクラウド環境をシームレスに利用可能になる。「教職員の 異動情報を反映する手順を改善することで、年度ごとのID更新の負荷も軽減できるでしょう」と川口氏は期待を示す。

教職員の働き方改革を支える基盤整備の完成へ

2025年9月、プロジェクトは要件定義から基本設計の段階に入りいよいよ本格化している。ATSの小林氏は次のように話す。

「プロジェクトメンバーが青森県様の要件を詳細までお聞きして、チームとしてしっかりと意識合わせを行いました。2026年2月の利用開始に向けて、セキュリティ基盤の設計・構築とポリシーや権限の設定、オンプレミスのActive DirectoryからEntra IDへの移行、67の県立学校で運用しているファイルサーバーからSharePoint Onlineへの移行など難しい要件が山積みですが、経験豊富なプロジェクトマネージャー /エンジニアを中心に万全の体制で取り組んでいます」

新しい環境をスムーズに利用開始できるようATSが集合研修をサポートするとともに、トレーニング動画や使いやすいユーザーガイドも整備されるという。

「学校に設置されたファイルサーバーからSharePoint Onlineに校務データを移行する作業は、特に慎重に進める必要があります。教職員の方々が戸惑わないようフォルダ構造を工夫した格納エリアを準備し、ATSが開発したデータ移行ツールを使用して作業を進めていただきます。データ移行 中もKBS様と連携し作業をサポートします」(ATS小林氏)

2026年2月より利用が始まるクラウド型「統合型校務支援システム」と、これを支える「セキュリティ基盤」により、青森県の教職員の業務は大きく効率化され「教育改革」の推進は着実なものとなっていくだろう。川口氏は「学習系と比べるとやや出遅れていた校務系だが、本プロジェクトにより一気にDXが加速する」と話しつつ次のように結んだ。

「新しい『統合型校務支援システム』では、すでに導入されている『デジタル採点システム』と連携し、テストの結果が自動的に校務支援システムに反映されるなど、教職員の業務効率化につながる様々な工夫が盛り込まれます。『教職員の働き方改革』を通じた児童・生徒に寄り添うための余白づくりこそ、これらの新システムで目指すべき成果です。ATSには、目標の達成に向けてプロジェクトを成功に導いてもらえることを期待します」

本資料に記載の会社名、団体名や製品名は各社の商標または登録商標です。
記載事項は個別に明記された場合を除き2025年9月現在のものです。

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